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さよなら宝の船

漁師になりたいと、十数年前に初めてこの島にやってきた時、

「一本釣りで生計を立てているのは、この船だけです。」と紹介されたのが、

釣りバカ日誌漫画本の浜崎伝助が年取ったような顔のこの親方。

CIMG9847.jpg


この船はどっしりとした頑丈な船で、喫水が深く左右によく揺れます。

波がなくても揺れるので、普通の人はすぐに船酔いしますだ。

でも、重心が低いのでひっくり返る心配はあまりない・・・そうです。^^

CIMG9849.jpg


漁師を目指す希望に燃えるわ^^しは、頼み込んで夜のマダイ釣り漁に同行、

浜崎伝助親方に大きなマダイがきたので、タモ(すくい網)を持って船べりへ、

そして、この丸いスカリ網の下の活け間にドッボーン!と落ちました。

夜は、ブリッジの方から照明がきてるので、ちょっと陰になるのです。

ほら、昼間でもちょっと陰になっているでしょう。

初めての船なので、足元が見えず不覚をとりました。

CIMG9839.jpg

活け間とは、このように魚を泳がせておく区画のことです。

ここに落ちたので、一瞬・・・視界が消えました。

わ^^しは胸をしこたま強打し、「う~~~、ぐふぐふ。」と、うなっていました。

浜崎伝助親方は、活け間に落ちているわ^^しを見て、

「なにやってるの?」と、やさしく、方言じゃない言葉で聞いてくれました。

CIMG9802.jpg

「なに・・・って言われても、落ちたんですけど、見ればわかるでしょ。」

・・・・・・・と言葉も出ず、「う~~ぐっふ~」と、うなり続けるだけでした。

わ^^しはその日の朝、漁が終わってそのままフェリーに乗って帰ったので、

活け間に落ちた青年は、その後、島のうわさになったそうです。

「あいつ、もう絶対来ないぞ、活け間に落ちたからのう、ははははは。」と。

CIMG9845.jpg

しかし、島の漁師たちの予想に反して、活け間に落ちた青年は、

シメサバのような夫人を伴い、島に帰ってきたのです。じゃ~ん^^

それからこの船に、1シーズン「ヒラマサ飼い付け釣り漁」に雇ってもらい、

伝助親方とふたりで毎日漁に出ました、だから、わ^^しの釣りの師匠です。

伝助師匠はよく居眠りするので、遠くまで行く時はわ^^しも操縦しました。

この渡し板の上に座って、舵を持つのです。

あれれ、いつの間に園芸用のイスみたいなの付けたの?

こんなのあると、ますます寝るよ、伝助師匠。^^

CIMG9841.jpg


この写真は、麻生太郎総理大臣似の先輩漁師の船に乗って撮りました。

もうこの船も最後だから、伝助師匠と話しながら写真を撮りました。

伝助師匠も共にたたかってきたこの船が、とてもなごりおしそうです。

麻生総理大臣似の先輩漁師は、「おい、葬式写真も撮ってやらんか^^」と、

憎まれ口をたたいていました。先日この島に来た柴太郎さんによると、

麻生総理大臣と声もそっくりだそうです。・・・うん、近いかもネ^^

CIMG9848.jpg

ばっば島では漁師も、港の船もだんだん減ってきています。

ついにこの船とも別れのときがやってきました。

伝助師匠も、もう歳だから、しかたがないのです。

漁協で最後の給油をしています。

伝助師匠の船はこのあと、本土へ向けて旅立ちました。

CIMG9913.jpg


「あーあ、行ってしまったよ、おやぶん。」

もう、二度とこの港に戻ることはありません。

本当にこれで最後なので、船名を書いておきます。

漁は宝・・・と書いて「漁宝丸」といいます。       うっ。

CIMG9609.jpg





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テーマ : 思ったこと・感じたこと - ジャンル : 日記

コメント

「漁宝丸」さん、お疲れ様でした。本土で第二の人生(船生)が待ってるのかな?師匠も辛いでしょうね。生死をともにしてきてるんですもんね・・。

言わないでおこうかとも思いましたが、やっぱりここは一つ・・十数年前に青年だったというところに引っかかってしまった私は、心が狭いのでしょうか?・・・教えて!〆ちゃま!

深いぃ~話ぃ~♪
不覚にも 泣けました こんばんは

ばっば君の写真がきれいすぎて さみしいっす
師匠がお元気でいられますように

瀬戸内の漁業に縁がありますので 小さな漁村の現状が手に取るようにわかります。
麻生総理(本物)が真剣に考えてくれることを切に望むしだいでございます

私も「十数年前、青年」が気になる

青年だった・・・というのは
今は青年じゃない、親分は
T.REXを知っている、もと青年の年が
気になる・・・とは言え、
逆に聞かれるのはいやだから
想像で我慢しておきませう。。。

一年間、修行をしてたんだ・・・
うちの釣り好きダンナも、憧れているかも。。。

うっ…思わずうるっと来てしまいました。仕方ないんだろうけどなんかせつないですね。ばっば君も寂しそう。
久しぶりの麻生さん登場。やっぱ似てるんですかぁ。うちの近くには福田さんに似てる人もいますよ。麻生vs福田の新旧総理会談なんていかがでしょ。

まわる~ま~わるよ

今回の話はブログ開設以来BEST3に確実にランクINされる出来ではないでしょうか。
〆に使ったばっば君の写真と話の内容がリンクしていて最高ですわ。
これからはおやぶんのこと支障じゃなくて、師匠と呼ばせてください。

だれしも出会いと別れの連続です・・・・しんみりきますねぇ。
だけど、沢山の思い出は宝ですよ!

我が家も8日、1年延ばしだった娘の結婚式が東京でありました。
身内と多くの友人に囲まれたアットホームな挙式で、二人の間にはまだハイハイの可愛い息子がタキシード姿で場を更に和ませてくれてました。
・・・行ってしまった! でも、こちらは決して戻ってきては困るますがね。

シメサバはあっぷあっぷしちょります。
あみちゃんどうも。

シメサバはちょっと気に入ったので、もうしばらく
使わせてもらおうかと思っています。

あみちゃんは途中からなので、ご存知ないですが、わ^^しはとんでもねえうそつき漁師ですので、
いひひ^^^^^^^^^。



@・・・

keronさん読んでくれてありがとう。うう。
時の流れとはわかっていますが、自分が
乗った船ですからやはり、
つらいっす。でもどうしようもないから、
またつらい。
どこもいっしょなんだろけどね。

ユミグ~ さま

でへでへ・・・i-201 島では青年の幅が広いですからね~i-229
65歳から強制的に老人会に入会させられる島人が、「オレはまだ老人じゃねぇから
入らない!」とひともんちゃくあったばかりです(笑)

ほんとは、たった一年の修行じゃ短すぎるんでしょうけど、この島の人たちは親切で独り立ち
してからも惜しみなくいろんなことを教えてくれるのでなんとかやってきましたよ^^

とびこんでみると意外となんとかなるもんですね♪

きゃんこママ さま

うん。うん。別れってほんとに辛いですね。
でも実はこのあと、アセアセ事件があったんです。
この船が行ってしまった日からシロがみあたらなくなって、
よく船の中で寝ていたシロは一緒に行ってしまったんじゃないかと・・・
まあ、一週間後に無事発見できてホッとしましたけど(笑)

う~ん、やっぱり麻生さんに似てるかも~とこの頃は思えてきました。
その新旧会談、何かの役に立てばいいですけどねi-229

おやびん さま

とりあえず、お褒めの言葉と受け取っていいのでしょうか?ありがとでやんす♪
最近は写真の撮り方もだいぶ上手くなってきたような・・・と、手前味噌ですが(笑)

島生活の大事なワンシーンをこうしてブログの中で残しておけるっていいもんですね。

桜ママ さま

ほんとに、出会いがあれば別れも付きものですね。
そして、良い出会いほど別れは辛いものです。

そうでしたか!それはそれは、おめでとうございます♪
そうやってお嬢さんたち家族も思い出がひとつ、またひとつ積み重なっていくんですね^^
親は寂しくても子供の幸せのためには涙をのんで送りだすんですねぇi-241

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もぐる漁師犬ばっばくん
1999年7月12日生まれ
ラブラドール・レトリーバー


      

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